ラブレター・フロム・ブラッセルズ

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第十五回 春爛漫

見回すと、春爛漫です。つい先頃まで、暗くて雨がしとしと降っていたベルギーですが、今や、気温も時には20度近くになり、森も、家々の庭も、色とりどりの花を見ることができます。もちろん、突然、気温が急激に下がったり、雨や雹が降ったり、と、ベルギーの天気は「期待」を裏切りませんが・・・それでも、着実に春が来ています。

4月後半には、いくつか花を見る機会がありました。
  まずは、ハルの森。ブラッセルから車で30分程南西に行ったところにあるのがハルの森です。その森では、年に1回、4月中旬から下旬にかけて、ブルー・ベルと呼ばれる野生のヒヤシンスを見ることができます。その名の通り、小さな鈴のような形をしたブルーというか紫色の花が群生する様は、霞の中に居るようで幻想的です。この森は、散歩にも最適ですが、入場は無料。
次いで、フロラリア・ブラッセルズ。ブラッセル北西の郊外にあるグロート・ベイハールデン城で、毎年1回この時期だけ、庭と温室が公開されるのです。圧巻は100万株とも言われるチューリップが咲き誇る様。それ以外にも、クロッカスや水仙が素晴らしい。ちなみに、ここは有料で、大人12ユーロです。

フロラリア(フラワー・ショーのことです。)と言えば、世界的には、イギリスのチェルシー・フラワー・ショーが有名ですが、ここベルギーでは、何といってもゲント・フロラリアでしょう。ゲントで5年に一回行われるこのフラワー・ショーは、チェルシーよりも半世紀以上前の1808年に始まり、来年2016年は35回目になります(チェルシー・フラワー・ショーは1862年に始まり、近年は毎年開催。来年は94回目。)。そして、日本ベルギーの外交関係開設150周年にあたる来年に、日本は、この由緒あるフラワー・ショーに「ゲスト国」として招待され、4つ有る会場の一つでは、活け花などの日本に由来するものを中心に展示されることとになっています。開催は、来年4月22日~5月1日。先日、組織委員会主催のお披露目会があり、私も招待されて出席してきました。ゲントが花で埋め尽くされるのが、今から楽しみです。
  チケットは、既に今でも購入できますが、1日券で32~35ユーロ。ちなみに、チェルシー・フラワー・ショーの今年の入場料は、メンバーで1日券46ポンド~69ポンド、一般は1日券で99ポンド(一部、午後入場などの割引券もあります。)。最近は1ポンド=約1.35ユーロ程度ですので、ゲントはだいぶんお得です。
(ゲント・フロラリアのHP;http://www.floralien.be/en

この時期の花と言えば、忘れてはいけないのが、ラーケン宮の温室でしょう。国王陛下のご一家が日常暮らされているラーケン宮殿には、1880年にレオポルド二世のために創建された素晴らしい巨大温室群があります。アール・ヌーヴォーの旗手として有名なヴィクトール・オルタの師であるアルフォンス・バラにより設計されたこの温室群は、毎年1回、この時期にのみ数週間一般に公開されます。熱帯植物を含む色々な種類の花々が咲く様はもちろん素晴らしいのですが、それ以上に、19世紀に建てられたとは思えないような、ガラスと鉄骨の曲線美が奏でるハーモニーは、一見の価値があります。このラーケン宮の一部には、日本風の五重塔や、東洋風寺院もあります。ちなみに、この大温室群の入場料は、一人、何と2.5ユーロ。どうしても採算を考えざるを得ないチェルシーやゲントのフラワー・ショーに比べれば、規模は違うとはいえ、信じられない金額で、たっぷり半日楽しめるお勧めスポットです。

そういえば、日本は何でも高い国だというイメージがありますね。当地でも、「日本はホテルでも何でも高いので、中々旅行できない。」ということをよく言われます。でも、本当にそうでしょうか?
  身近な共通の場所ということで、美術館について比べてみましょう。
  日本の東京上野にある国立博物館は、特別展の入場料は、1400~1600円(1ユーロ=134円程度として、10.45~11.85ユーロ)です。日本にいる時は、相当高いな、と思っていたものです。一方、ベルギーでは、王立美術館では、現在行われているシャガールの特別展は、17.50ユーロ(2345円)します。ちなみに、大英博物館の入場料は、14ポンド(1ポンド=182円として、2548円)。皆さん、是非日本の美術館を楽しんでください。
  ちなみに、フラワー・ショーに戻って、日本はどうでしょうか。規模が違うので、なかなか比べにくいのですが、例えば、桜の名所として有名で、改修後リオープンされた温室もある新宿御苑は、入場料は200円(1.49ユーロ)です。これは、ラーケン宮の温室より安いことになります。ベルギーの皆さん、是非日本においでください!

 

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