ラブレター・フロム・ブラッセルズ

 前へ

記事一覧へ

次へ 

 

第三十四回 「ソリダリティ(団結)」再び

ブリュッセル連続テロ事件

去る3月22日朝,ブリュッセルで連続テロ事件が発生しました。まず,7時58分頃,ブリュッセル空港出発階ロビーで,2度の自爆があり,それから1時間少し後の9時11分頃,今度は,ブリュッセル市内の地下鉄マルベーク駅を出発したばかりの車両で,自爆がありました。

死者は,その後病院で亡くなった方を加えると,32人。3月29日の時点で,未だに90人以上の方々が入院・治療中です。ベルギーが経験した最も深刻なテロ事件であることは疑いがありません。

この痛ましく,かつ,憎むべきテロ事件を受けて,日本政府からベルギー政府に対して,ハイレベルで,数々のメッセージが届けられました。安倍総理からミシェル首相へ,岸田外務大臣からレンデルス外務大臣へ,大島衆議院議長からブラック下院議長へ。そして,天皇陛下からフィリップ国王陛下にもお悔やみと連帯を示すメッセージが届けられましたが,これは,異例のことです。
私も,エグモン宮殿での記帳に伺い,外交団の中では,一番最初にメッセージを書かせて頂きました。ここに,改めて,心からのお悔やみと,深い同情の念,そして,団結の気持ちを表したいと思います。

「ニュー・ノーマル」と「ソリダリティ」

これだけのテロ事件が,それも,空港や地下鉄駅という,誰でも行きうる場所で起こった以上,誠に残念なことながら,日本人の方々も被害から無縁ではありませんでした。 当地在住の日本人の方が一人軽傷を負われました。更に,もう一人の当地在住の日本人の方は重傷を負われ,意識は戻り,状態は安定しておられますが,未だ入院中です。

その意味でも,これは,「ベルギーの問題」ではなく,「我々の問題」なのです。日本としては,この困難なときにこそ,ベルギーに対して,強い「ソリダリティ(団結)」の気持ちを表すべきだと信じています。

3月31日時点で,未だベルギー全土で,テロの脅威度は最高から2番目の3が維持されています。これは,テロの脅威は未だにある,という意味です。今回の事件の一連の捜査を通じて,テロのネットワークは,ベルギー,フランスのみならず,オランダやイタリアなど,欧州の他の国へ広がっていることが明らかになりつつあります。残念ながら,このような状況は,しばらく続きうる,と見ておく方が安全では無いかと思います。

そうであるからこそ,私たちは,「必要最小限の注意を払いながら,通常の生活は通常どおりに続ける。」という心構えをすることが求められています。ベルギーに滞在されている6000人を超える日本人の方々は,私から申し上げるまでも無く,そのような心構えで日々の生活をされているように拝察します。このことを日本人として,非常に誇りに思います。このような姿勢こそが,ベルギーに対して「ソリダリティ」を示すことに繋がるのだと信じます。

ゲント・フロラリア

このような状況の中で,日ベルギー友好150周年の行事は,今後も,次々と開催されます。次のメジャー・イベントは,ゲント・フロラリアです。この5年に1回ゲントで開催されるフラワー・ショーは,ベルギー独立前の1808年に始まり,有名な英国のチェルシー・フラワー・ショーより半世紀以上も長い歴史を持っています。35回目となる今年は,150周年にちなみ,日本が「ゲスト国」として招待され,4つ有る会場の一つでは,活け花などの日本に由来するものを中心に展示されることとになっています。

この参加を予定通り行うには,関係者の方々におかれても,それなりの勇気と決意がいると思いますが,正に,これも,日本のベルギーに対する「ソリダリティ」の証です。一般公開は4月22日~5月1日です。皆さんも,是非お出かけ下さい。ゲント・フロラリアのHP http://www.floralien.be/en

 

 前へ

記事一覧へ

次へ