ラブレター・フロム・ブラッセルズ

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第四十二回 友情のシンボル(お見逃し無く!)

秋になっても、150周年の記念行事は、どんどん続いていますが、本日は,その中で2つをご紹介したいと思います。

ルーヴェン大学への寄贈日本図書(9月20日~10月8日限定で、UCLで公開中!)

ブリュッセルから東に25キロも行かないところに、古都ルーヴェンがあります。ここにあるルーヴェン大学は、1425年に時の法王が創設した、現存する最も古いカトリック系の大学で、現在も、ベルギーの中で最も有名な大学と言って良いでしょう。この大学には、中世の趣を見せる美しい図書館がありますが、実は、この図書館は、二度の世界大戦のその度に,戦火で殆どが焼け落ち、現在の建物は,その後再建されたものです。

第一次世界大戦勃発から一ヶ月も経たない1914年8月25日~26日のドイツによる攻撃では、数百年に亘る貴重な文献の多くが消失しました。これを受けて,戦後、ベルギー政府は世界各国に図書の寄贈を呼びかけましたが、それ応えて図書を寄贈した国の一つが、第一次世界大戦の戦勝国であった日本です。当時ベルギーに公使として駐在し後に最初の駐ベルギー日本大使となる安達峰一郎がベルギー政府の要望を受けて本国に積極的に働きかけた結果、当時の主要財閥の全てが参加した図書寄贈委員会が立ち上がり、現在の価値で約12億円(当時で6万円)の寄付が集まり、13,000冊を超える日本図書が寄贈されたのです。ちはみに、再建された図書館には、図書を寄贈した国のシンボルが設置してあります。日本については、菊の紋章と狛犬ですが、これは、今もルーヴェン大学の図書館の建物に見ることが出来ます。

これらの図書は、その後、第二次世界大戦の際には、図書館とは別の場所に保管してあったことから、その戦火を逃れ、現在も、極めて良い状態で保管されています。ただ、ベルギー特有の事情があり、その保管場所は、現在のルーヴェン大学(KUL)の図書館ではありません。ベルギーでは、現在フラマン語(オランダ語系)とフランス語とドイツ語が公用語ですが、大学についても、フラマン語系の大学とフランス語系の大学に分かれているのが現状です。ルーヴェン大学もその例外では無く、種々の経緯を経た後に、1968年にフランス語系が分裂しブリュッセルの南東約30キロのところに新たに作られた学園都市であるルーヴェン・ラ・ヌーブに、仏語系ルーヴェン大学(UCL)が創設されました。

この分裂の時に、他の物と同様に,図書についてもどのように分けるかについて両大学の間で相当の議論があったようです。ある分野の図書については、所蔵番号の奇数・偶数で分け合った,と言う話もありますが、関係者から伺ったところでは、日本からの寄贈図書については、その歴史的価値に鑑み、最初から分けるという話は無かった由です。種々議論の末、仏語系のUCLが全て保管することになり、現在、同大学の図書館に収められています。

現在公開中!お見逃し無く!

大学側の説明によれば、この寄贈図書は、江戸時代の物を中心に古くは室町時代初期まで遡り、学術、文化、市井の生活など、幅広い分野をカバーする,素晴らしいコレクションです。その分野横断的なところは、日本のコレクションにひけを取らないのでは無いか、という印象さえ持ちます。

これらの図書は、通常は、保管のために、一般公開されていないのですが、何と!日ベルギー友好150周年を記念して、9月20日から10月8日までの間、その一部が、UCLで公開されています(月曜~金曜は9時から17時まで、土曜は11時から17時まで。日曜はお休み。)。私も初日に伺いましたが、数は限られていますが、素晴らしく、良く保存されたコレクションだと思いました。皆さんも、この貴重な機会を逃さず,是非一度ご覧下さい。

ちなみに、UCLでは、現在新しい美術館を整備中で、来年の春頃には開設する予定です。この美術館開設の暁には、日本図書コレクションの一部を常設展示することを考えていると聞きました。日本とベルギーの友情のシンボルであるこの貴重な寄贈図書が、一人でも多くの方の目に触れると良いなと思っています。

ジュリアン君

大学側の説明によれば、この寄贈図書は、江戸時代の物を中心に古くは室町時代初期まで遡り、学術、文化、市井の生活など、幅広い分野をカバーする,素晴らしいコレクションです。その分野横断的なところは、日本のコレクションにひけを取らないのでは無いか、という印象さえ持ちます。

これらの図書は、通常は、保管のために、一般公開されていないのですが、何と!日ベルギー友好150周年を記念して、9月20日から10月8日までの間、その一部が、UCLで公開されています(月曜~金曜は9時から17時まで、土曜は11時から17時まで。日曜はお休み。)。私も初日に伺いましたが、数は限られていますが、素晴らしく、良く保存されたコレクションだと思いました。皆さんも、この貴重な機会を逃さず,是非一度ご覧下さい。

ちなみに、UCLでは、現在新しい美術館を整備中で、来年の春頃には開設する予定です。この美術館開設の暁には、日本図書コレクションの一部を常設展示することを考えていると聞きました。日本とベルギーの友情のシンボルであるこの貴重な寄贈図書が、一人でも多くの方の目に触れると良いなと思っています。

 

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