ラブレター・フロム・ブラッセルズ

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第四十四回 素晴らしかった国賓ご訪問

去る10月10日~15日、フィリップ国王陛下とマチルド王妃陛下は、国賓として日本を訪問されました(公式日程は10月11日から)。私と家内も、接伴員として、両陛下ご一行と行動を共にさせて頂く光栄に浴しました。 このご訪問は、間違いなく日ベルギー友好150周年のハイライトと言えるでしょう。今年は、アルバート二世前ベルギー国王陛下が国賓として訪日されてから20年目の節目の年でもあります。更に、フィリップ国王陛下が筑波博ご出席のために初めて訪日された1985年から30年余、同国王陛下にとっては、11回目の訪日になりました。

 

 国王王妃両陛下は、10月10日の早朝、東京にお着きになり、私と家内もお出迎えに伺いました。その日は、根津神社をご訪問になるなど、私的な日程をこなされました。
翌11日からは、公式日程の始まりです。まず、午前中は皇居で歓迎行事があり、夜には、宮中晩餐会が催されました。その間も、両陛下は、忙しい日程を縫って、それぞれ、ビジネス関係者の昼食会や、両国の大学学長会議昼食会に参加されました。 12日は、午前中から夕方まで、天皇皇后両陛下とご一緒に、結城市をご訪問になり、学生ブラスバンドの演奏や地元の田楽踊り、更には,結城紬の実演などをご覧になりました。ちなみに、結城市は、ベルギーのメッヘレン市の姉妹都市ですが、今年は、姉妹都市関係20周年の節目の年にも当たります。国王王妃両陛下は、お疲れも見せず、夜には、迎賓館で安倍総理、総理夫人と懇談され、その後、総理主催の晩餐会に出席されました。
 翌13日は、新幹線で名古屋にお出でになり、愛知県庁での日本車のベルギー輸出一千万台の記念式典や、ベルギー・フェア、名古屋版ションベン小僧の除幕式などにご出席になりました。夕方に東京に戻られた後、夜には、答礼行事としてコンサートを主催され、終了後には、コンサートにご出席になった天皇皇后両陛下にお別れのご挨拶をされました。

 

 14日には,東京を離れ大阪に移動されました。大阪でも、ビジネス関係者や大学関係者との昼食会や、能のご見学、更には、大阪になるフランダースセンター開所40周年記念のコンサートに出席されるなど、忙しい日程をこなされ、翌15日の朝、関西国際空港から帰国の途につかれました。

以上、ご日程の概略をご紹介しましたが、ご一行に同行してひしひしと感じたのは、何と言っても、天皇皇后両陛下と国王王妃両陛下が、どれだけ相手を大切に思われているか、というお心遣いです。アルバート前国王陛下と天皇陛下、フィリップ国王陛下と皇太子殿下、更には、フィリップ国王陛下の長女でいらっしゃるエイザベト王女と愛子内親王の三代に亘り、同い年である、ということは、とても偶然とは思えません。宮中晩餐会の参列者は、約170名でしたが、これは、平成に入ってから最大の規模と伺いました。天皇皇后両陛下が国賓の方々の地方旅行(結城市)にご同行されたのは7年ぶりのことのようです。数千人の人々が、沿道で日本とベルギーの国旗を振って歓迎する姿は、強く心に残りました。宮中晩餐会では、ベルギー人であるティールマンス作曲の「ブルーゼット」と共に、皇后陛下が作曲された「おもひ子」が初めて演奏されました。素晴らしかったのは、今度は、国王王妃両陛下が主催された答礼コンサートで、ベルギー人の演奏家によって、この「おもひ子」がアンコール曲として演奏されたことです。演奏が終了するかしないかの内に、天皇皇后両陛下ご自身が立ち上がって拍手をされたのは、両陛下のお気持ちの現れだと拝察しました。ともかく、色々な「特別」がちりばめられた素晴らしいご訪問だったと思います。

実は、この国賓訪日には、国王王妃両陛下の御意思により、地方・コミュニティ政府関係者に加え、100名を超えるベルギーのビジネス界の重鎮や、学長レベルの大学関係者が同行し、日本側関係者と多くの会合を持ち、また、色々な合意への署名も行われました。懸案であった日ベルギー租税条約が署名されたのは実質的に大きな意味があります。東京都とブリュッセル首都圏地域との間の一層の協力のための覚書や、両国のオリンピック委員会同士の連携のための覚書の締結なども、重要な進展でした。日本とベルギーの友好関係は、150年の節目を迎えましたが、当然ながら、これは終わりでは無く、更なる関係強化のためのモメンタムになるべきものです。折しも、2020年の東京オリンピックから丁度100年前の1920年にオリンピックを開催したのは,ベルギーのアントワープ市です。次は、この2020年を目標の一つとして、関係強化に頑張っていきたいと思います。皆様の引き続きのご支援を,どうぞよろしくお願いします。

photos: ©Belgian Monarchy

 

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