ラブレター・フロム・ブラッセルズ

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第四十五回 フィナーレに向けて

もうすぐ師走(12月)。日ベルギー友好150周年のお祝い満載の2016年も,ついに最後の月を迎えます。そして,この年を締めくくるに相応しい色々なイベントは,まだまだ続きます。

浮世絵展

 

その一つが,10月21日からブリュッセルのサンカントネール博物館で行われている「浮世絵展」です。実は,EU本部に程近いサンカントネール博物館は,世界でも有数の浮世絵のコレクションを所有しています。日本がベルギーと外交関係を開いた1866年以降,20世紀初めにかけて,数多くの浮世絵が欧州に渡りました。ジャポニズムが空前のブームになる中で,北斎,歌麿,写楽などの浮世絵が,アール・ヌーボーといった,欧州の新しい芸術に大きな影響を与えたことは有名です。
今回の浮世絵展は,1989年にベルギーで開催されたユーロパリアの際の浮世絵展以来の最大級の質・量を誇るものです。正直に言うと,厳しい財政状況の中で,王立のサンカントネール博物館といえども,所蔵する膨大な美術品を管理し,その展示スペースをタイムリーに改修して,大規模な展覧会を開催するのは,なかなか大変なことです。今回,博物館関係者のご尽力で,日本・ベルギー友好150周年の機会をとらえ,メインの入り口の正面にある展示スペースを改修し、,しばらく倉庫に眠っていた浮世絵コレクションを,再び来訪者の方々の目に触れさせる運びになったのは,喜ばしい限りです。多くのスポンサーの方々のご協力を得て,150周年祝賀委員会として,この展覧会開催に一部なりとも協力できたことを嬉しく思っています。
私も,10月20日の前夜祭に参加し,展示品の数々を見せて頂く機会がありましたが,素晴らしい!の一言です。これだけの数とバラエティのある浮世絵を見たのは,個人的にも初めてでした。日本でも,これだけの浮世絵展覧会はなかなか開かれないのではないかと思います。中には,今や日本では見つからない写楽の浮世絵数枚もありました。

この展覧会は,実は,友好150周年を超えて,来年の2月12日まで開催されます。12月20日(火)からは,展示品が入れ替えられますので,展示の全てを見たい向きは,その前とその後と2回訪問されることをお勧めします。なお,博物館は,月曜日,クリスマス,新年は閉館ですが,週末を含めて,他の日は開いています。詳しい開館時間はサンカントネール博物館のサイトをご覧下さい。是非,この機会に,ブリュッセルで浮世絵をお楽しみ下さい。

ウインター・ワンダー

 

この機会に,もう一つのイベントをご紹介しましょう。ベルギーを含む欧州主要国では,11月の最後の週末からクリスマスマーケットが始まります。ブリュッセルでも,それに併せて,毎年ウインター・ワンダーという名前の色々な催し物が行われています。そして,日本は,またまた友好150周年を記念して,今年の催し物のゲスト国になりました。  今年は,11月25日(金)に,その開会式があり,私も出席しました。ブリュッセル市庁舎内で市長のご挨拶が有った後,市長を先頭に,催し物の会場を回ります。まず,市庁舎の前にあるグランプラスには,スロバキアから贈られた巨大なクリスマスツリーが飾られ,その場でLEDの点灯式が行われました。その後,人間が操る大きなシロクマ達に先導されて,同じくLEDで飾られた旧証券取引所や,モネ劇場の前に作られた特設スケートリンクを回ります。
 しかし,何と言ってもハイライトは,クリスマスマーケットとして有名な広場に面して建つサンカトリーヌ教会です。その正面のファサードに,日本をテーマにした約6分間のプロジェクションマッピングが映写されるのです。私は,市長とご一緒して,その初映写を見る光栄に浴しましたが,これまた素晴らしい!余りネタを明かすと申し訳ないので言いませんが,最初にお話した浮世絵展とも少しコラボし,伝統的な日本と新しい日本の双方を表す,ダイナミックな内容で,市長も関係者の皆さんも,大喝采でした。

このプロジェクションマッピングは,1月1日まで毎日,18:00~22:00の間,30分おきに行われおり,お出でになると,次回映写までの時間も示されています。もしも気が向かれたら,足を運んでみて下さい。もちろん,周囲の安全には,十分なご注意をされるようお願いします。

 

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