ベルギー経済(2015年第1四半期GDP成長率の速報値並びに2014年第4四半期及び通年の修正値の発表)
4月29日,ベルギー中銀は,2015年第1四半期GDP成長率の速報値及び2014年第4四半期の修正値を発表したところ,概要以下のとおりです。
2015年第1四半期実質GDP成長率(速報値)
対前期比+0.3%
対前年同期比+0.9%2014年第4四半期実質GDP成長率(修正値)
対前期比+0.2%
対前年同期比+1.0%
- 部門別では,対前期比で,建設部門が+0.6%,サービス部門が+0.3%と増加したのに対し,産業部門は▲0.3%と減少。
- 民間最終消費支出は,対前期比で+0.5%,政府最終消費支出は同+0.4%と増加。
- 総固定資本形成における家計の住宅投資は対前期比で+0.5%,公的部門による投資は+1.1%と増加したものの,企業の投資については,同▲8.1%と減少。企業の投資の減少は,2014年第3四半期の多額の特許購入を受けて第4四半期に減少に転じたもの。
- 以上の結果,内需(除く在庫)は,対前期比で+0.9%となった。
- 財・サービスの輸出入はいずれも対前期比で減少し,輸入は▲4.1%,輸出は▲2.8%と輸入の減少率が高かったが,第3四半期同様,大きな企業投資があったこともあり,財・サービスの輸入の減少が相殺された。結果,純輸出の経済成長率への寄与は▲1.2ポイントとなった。
- 雇用については,主にサービス,医療・福祉,自営業での雇用が増加したため,対前期比で+0.1%となった。給与所得者の労働量は対前期比で▲0.3%となったが,これは主に2014年末に発生したストによるものである。
2014年通年実質GDP成長率(修正値):+1.1%
- 部門別では,産業部門が対前年比+1.9%(2013年は▲0.7%),建設部門が同+3.2%(2013年は▲1.3%)と前年と比べ増加。他方,サービス部門は同+0.7%で2013年と同様の増加率。
- 内需(除く在庫)は対前年比+1.9%となったが,これは主に外国からの多額の特許購入と船舶購入を通じた企業の投資(同+6.8%)の増加に因る。また,家計の住宅投資(同+0.7%)及び公的部門の投資(同+4.3%)も増加した結果,総固定資本形成は,全体で同+5.1%の増加となった。
民間最終消費支出については,同+0.9%,政府最終消費支出は同+1.0%となった。- 2014年は外需も伸びを見せ,輸出量は対前年比+3.8%(2013年は+2.9%)となった。右輸出増加率は輸入の増加率(同+3.6%)となったため,財・サービスの純輸出の経済成長率への寄与は0.2ポイントとなった。
- また,在庫の経済成長率への寄与については,▲1.0ポイント(2013年は▲0.7ポイント)であった。
- 雇用については,対前年比+0.4%(+17,700人)となった(2013年は▲0.3%,▲12,400人)。また,給与所得者の労働量は同+0.2%(2013年は▲0.5%)となった。