第二十八回 良いお年を!Happy Holiday Season & New Year!
2015年12月23日
2015年の終わりを迎えて
2015年も終わろうとしています。今年は,皆さんにとっては,どのような年でしたか?色々なことがありましたが、私としては、今年は、1月の岸田外務大臣ブラッセル訪問に始まり、11月のパリ連続テロ事件に終わるという印象です。
1月の外務大臣訪問の際には、レンデルス・ベルギー外務大臣との会談の機会に、来年の友好150周年のロゴマークを発表頂きました。その後、ピンバッチやホームページも作り、今や,ロゴマークは定着したような気がします。日本の国旗とベルギーの国旗を合わせたシンプルなデザインですが、それだけに,分かりやすく,強い印象を残す,良いロゴマークを作って頂いたと思います。
一方、先月のパリの連続テロ事件も、違う意味で、強い印象を残しました。ベルギー、特にブラッセルもその渦中にいます。ブラッセルを含むベルギー全土では、少なくとも今年一杯は、テロの脅威度が4段階の中で2番目に高い「3」に据え置かれており、テロの脅威が引き続きあることを示しています。ただ、これは、この地球上に住む限り、誰も完全には無縁ではいられない問題です。「必要な注意を払いながら、日常の生活を続けていく。」という強い意志が私たち皆に求められているのだと思います。
必要なときの友(Friends in need)
2015年を通じて、公邸にも色々なお客様においで頂きました。
今年最後の公邸での行事2回は、秋の叙勲を授賞されたお二人のベルギー人の方それぞれをお呼びしたものでした。お一人は、トマス・レイセンさん。日ベルギー協会の前会長としてのみならず、トップ・ビジネスマンとして、両国関係の強化に長年尽くしてこられました。もう一人は、花の芸術家として有名なダニエル・オストさん。訪日経験は100回を超え、日本とベルギーの感性を融合した、すばらしい作品を多数生み出してこられました。
お二人は、それぞれの分野で引き続き大活躍しておられるのですが、共通しているのは、東日本大震災の時の日本の友人としての行動です。
レイセンさんは、日ベルギー協会会長として、ベルギー国内で支援プロジェクトを主導されました。また、大震災の直後に、多くの外国人の方々が日本から海外に出られる中で、会長をしておられる会社の日本におけるボード・ミーティングの予定通りの開催を指示され、ご自身もその出席のために訪日されました。
オストさんは、震災の被害に打ちひしがれて、花を活けることができなくなった被災地にいるお弟子さんのところを,震災直後に訪れました。そして、オストさんは、ゆっくりと,時間をかけてそのお弟子さんの心を開き、再び花を活けることができるように導かれたのです。
お二人は,正に,「必要なときの友(Friends in need)」です。このような方々に、天皇陛下の勲章を差し上げることは、私にとっても非常に光栄なことでした。
公邸は外交の最前線
公邸は、日本食や日本のお酒等を振るまい、お客様に楽しんで頂くと同時に、打ち解けた雰囲気の中で,非常に非公式な意見のやりとりをする場でもあり、いわば,外交の最前線の一つだと思います。数えてみると、今年は、平均で,大体,毎週2~3回の設宴をやりましたが、夏には1ヶ月以上のバカンス・シーズンがあり、1月2回程度は、私の出張もありますから、数日連続、というのもしばしばありました。
これを支えてくれたのは、料理人である神山さんと公邸のスタッフです。神山さんは、私の前の前の大使の時代から料理人を務めており、若手ですが,ベルギー滞在が6年になる経験豊富な人です。フレンチの訓練を受けていますが、日本食も器用にこなし、レイセンさんも、オストさんも、本当に喜んでいました。ここに、神山さんとスタッフ一同に、心から感謝したいと思います。
ともかく、長かった1年ももうすぐ終わりです。皆さん、素晴らしいホリデー・シーズンと、良い新年をお迎えください。来年の友好150周年の成功のためには、皆さんのご支援が必要です。引き続き、どうぞよろしくお願いします。
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