領事サービス・安全対策メールマガジン

令和2年5月12日

新型コロナウイルス感染新規症例の発生(11日)


1 本11日,ベルギー公衆衛省の発表によると,ベルギー国内において新型コロナウイルスの新規症例が新たに368件確認され(フランダース地域:199名,ワロン地域:131名,ブリュッセル:36名,居住地不明:2名)その結果,当地での確定症例数は53,449件となりました。

また,3月15日から昨日までの間に,13,697名の方が治癒して退院(過去24時間中の退院者は55名)しました。

死亡者数は以下のとおりです。
(1)過去24時間の合計:62名(病院における死亡者35名,老人ホームにおける死亡者26名)
(2)これまでの合計:8,707名(内訳:病院における死亡者4,149名(確定症例3,967名(96%),疑い例182名(4%)),老人ホーム等における死亡者4,465名(確定症例941名(21%),疑い例3,524名(79%))、自宅22名,その他の場所38名、不明33名)

昨日現在,病院のベッドについて,2,222名の感染者(過去24時間での増減は無し)が利用しており,そのうち478名が集中治療室(過去24時間で2名増加),299名が人工呼吸器を利用している状況です。

昨日の感染検査実施数は18,606件,検査実施総数は584,707件(内、老人ホームは250,452件です。)

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省新型コロナウイルス特設ページ(仏語))
https://www.info-coronavirus.be/fr/news/478-patients-covid19-en-soins-intensifs/
(参考アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ)
https://epidemio.wiv-isp.be/ID/Pages/2019-nCoV_epidemiological_situation.aspx

2 なお,本日の記者会見で発表された内容のポイントは以下のとおりです。
(1)現在の傾向について:
(参照アドレス:資料ダウンロード用アドレス)
https://d34j62pglfm3rr.cloudfront.net/downloads/news/numbers_20200511_FR.pdf

感染者数(2.2の図)は,8日時点の1週間平均を見ると,減少傾向が止まり3%増加となった。これは,先週以降,感染検査の方針が変わり,より軽度の症状の人にも検査対象が拡大されたため。入院者数(2.3の図)は,先週より安定しており,ここ数日の値(それぞれ1週間平均)は100未満となっている。検査数(2.1の図)は増加している。集中治療患者数(2.4の図),死者数(2.5の図)は減少傾向にある。

(2)学校での授業再開について:
(ア)来週より,生徒数や授業数が限られた中で授業再開が予定されているが,科学的根拠に基づき,父兄と教職員は安心してほしい。子どもたちは感染しても軽度の症状しか示さず,大部分は無症状である。子どもたちの中には入院する者もいるが,ベルギーの全入院者のうち19歳未満の者は1.7%のみ。入院する者に関しても,通常短期間であり,例えば,高熱を出した小さな子どもが経過観察のため48時間入院するケースなどが多い。従って,子どもがコロナ感染で重篤になったり入院したりすることは稀。
他方,感染した子どもが他者を感染させる可能性や,大人よりウィルスの保有量が少ないといった点については現在も議論されている。そうした主張は論文等で見られ,より多くの科学的データにより立証される必要がある一方で,データは集まりつつあり望ましい方向性に向かっている。今後詳細が判明するであろう。
4/30に別件でも触れたが,ベルギー小児医学協会コロナ・タスクフォース(la taskforce pediatrique belge pour le covid-19)は授業再開についての見解を表明しており,子どもの医学上のリスクが限定的である点,及び子どもにとっての教育上及び心理社会面での利点の観点から,授業再開を支持すると述べている。なお,スウェーデン等では授業停止はそもそも行っておらず,仏・蘭・独等の周辺国では現在,授業を一部再開し始めている最中である点も強調したい。

(イ)授業の一部再開に関しては,必要な全ての措置,特に,社会的距離の確保,石けんやアルコール剤による手洗い,くしゃみをする際に肘やハンカチで口元を覆うといった安全確保のための措置がきちんと取られているかどうかが重要となる。また,子どもも大人も,症状が見られる際には自宅に籠もり,学校や職場に行かないという点も付け加えたい。
先週始めより,潜在的な感染者の追跡が実施に移されており,コールセンターでは職員数を増強している。この追跡は,感染者数の増加の可能性が排除されない中,子どもそして大人のためにも適切に行われなければならない。社会における人同士の交わりによる接触が再び増加することになるため,より多くの感染検査が行われる予定であり,この追跡が今後数日から数週間にかけて特に重要となる。仮に前述の措置がきちんと守られるのであれば,我々は授業の一部再開に向けて安全に前進することができる。

(ウ)異なる当局が,接触の追跡システムを強化・開発してきたことで,ウィルス保有者と接触した者のより容易な特定が可能となっている。この追跡は,電話(022141919)あるいはSMS(8811)のみで行われる。仮に担当者が対象者に電話で連絡できなかった場合,または対象者が電話番号を持っていない場合は,担当者が対象者の自宅を訪問することもあり得る。この2つの公式番号を携帯に登録しておくことを勧める。なぜならば,この数日で偽のメッセージが出回り始めたことが確認されたため。仮に発信元がこの2つの番号のどちらでもないのであれば,そのメッセージは無視しなければならず,誰かに転送したり,SMSにリンクがある場合は開いてはならない。
また,電話で聞かれる質問事項にも注意してほしい。仮にあなたがウィルス保有者と診断・特定された場合,担当者はあなたがそれまでの数日間で接触した人を特定するために質問をしたり,あなたや周りの人にとっての公衆衛生に関する提言を行う。あなたが提供した情報の全ては保護され,どのような場合でも,あなたが特定の措置を遵守したかどうかに関してコントロールされることはない。この追跡の目的は,あなたに寄り添い,手助けをし,導くことである。銀行口座やパスワード等について尋ねられることはなく,そうした情報はどのような場合でも電話口で伝えてはならず,誰かの悪意ある行動には気をつけてほしい。

(3)今日より店舗が再開するが,客はマスクまたは代替となる物を着用することが強く推奨される。また,客は10平方メートルに1人と定められ,店内が混雑するのを避けるため,買い物は1人で,1回につき30分程度とするようにしてほしい。さらに,自宅のある街または市(コミューン)で,あるいは自宅か職場の近くの店舗で買い物をするようにしてほしい。

(4)(店舗が再開される前日の昨日の時点での感染率「R0」の値はどのくらいか,店舗再開によりこの値が上昇すると見ているかとの問いに対し)R0の値は0.7~0.8。但し,このR0は他の指標の数値ほど正確ではない。というのも,R0の算出は入院者数を用いた計算に基づいており,最近では入院者数が減少していることから,以前ほど正確には計算できないため。R0の数値は,今後数日に亘り社会的な接触が増加するにつれ,上昇し得る。そのため,その動向を追跡すること,そしてこの数値が1を超えないこと,すなわち一人の感染者が周囲において感染させる人数が1人以上とならないことが極めて重要となる。措置の遵守と接触の特定により,この数値を1未満に抑えることが可能となる。

(5)(今般の措置解除の時期に高齢者はどのように行動すべきか,仏が推奨したように,措置が解除される前と同じ規則を守るべきか,高齢者の年齢についてはどう考えるべきか,65歳あるいは70歳以上が対象となるのか,高齢者の健康状態によって区別すべきかとの問いに対し)年齢が上がるにつれてリスクが高まることが判明している。集中治療患者の50%以上が65歳以上,死亡者の90%が65歳以上となっている。65歳という年齢はそれ自体がリスク要因と定義され,年齢が上がると,例えば高血圧,糖尿病等の合併症といった他の要因が加わる。
一般に,65歳以上の人には,例えば,彼らを感染させるリスクのより高い,より若い世代の人と頻繁に会わないようにするなど,より厳しい規則の遵守が推奨されるべき。他の要因が加わる場合でも,対象は65歳以上となる。高血圧,糖尿病,慢性的な呼吸困難等の要因も同時に抱えている人は,かかりつけ医が追加的リスクについて適切に情報提供をしてくれるので,助言に従うことが重要。

(6)(マスク着用が広範に見られるようになるにつれ,例えば何か食べる際にマスクをあごの方へずらしたり,人が近くにいるにも拘わらずマスクをポケットに入れるなどの不適切な行動が見られる,マスク着用時に取るべき行動と取ってはいけない行動を再度正確に説明してほしいとの問いに対し)政府が推奨するとおり,外で1.5メートルの社会的距離を保てない場合や,公共交通機関等での着用が義務または強く推奨されている。マスク着用に関して間違った方法が取られることがあるが,特設サイト(https://www.info-coronavirus.be/)上のガイドラインやQ&Aを参照してほしい。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省記者会見動画)
https://www.info-coronavirus.be/fr/live-pressconferences/


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