日本と私
日本と私
ハーク・ウェスリー
剣道6段
小鹿剣道クラブ 指導者
ベルギーチーム キャプテン
日本と私の関係は,自分で意識する前から始まっていました。というのも,剣道をしていた両親の影響で私も5才から剣道を始めたからです。母はゲントで,子ども達のために小鹿剣道クラブを創立し指導していました。また,幸運なことにベルギーには毎年2回,平川信夫(剣道八段教士)先生が剣道の指導に来てくださっていました。最高段位の先生には伝統的な礼節と根本である『剣の理法』を教わりました。 20歳の時,私は国際武道大学で1年間留学しました。道場の規律は厳しく,特に寒稽古の辛さは私たち外国人には理解し難しいこともありました。早朝,寒い中での稽古を体験することで,この辛さを乗り越えることで日本人の強い忍耐力と精神力は形作られているのだと感じました。 国際武道大学夏季休業中の1ヵ月間は,直接平川先生に指導していただきました。先生が教鞭をとっておられた東海大学はもちろん,日光や日本武道館でも稽古をする機会を頂きました。また,剣道だけでなく日本文化や和食の世界にも私をいざなってくださいました。 ベルギーに戻ってからは,剣道をしている妻と娘と共に稽古を続けながら毎日を過ごしています。最近では剣道を通じて出来た友達と各国で出会い,防具を持って世界を旅しています。武道を通じた仲間との友情と交流で,私の生活は豊かになったのを感じます。 2015年には「日本武道館」での剣道世界大会が行われます。この憧れの地,聖地といわれる日本武道館で,剣道が出来るというのは多くの選手の夢でもあります。もちろん,ベルギーチームとて例外ではありません。来年の,この素晴らしい機会に,精一杯剣道を楽しみたいと思います。 |


