ラブレター・フロム・ブラッセルズ

平成27年7月8日

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第十九回 ようこそ(YOKOSO)」日本へ!

7月は、当地の休暇シーズンの始まりと言うことで、このコーナーも1ヶ月間お休みを頂きました。当地は,未だバカンスの真最中ですが、今月からは,又、これまで通り、1ヶ月に2本のペースで掲載していきますので、よろしくお願いします。

 さて、今回は,バカンスにちなんで、各国の観光事情比較を。

日本観光事情 (注1)

 日本に外国からおいでになるお客様(注;純粋観光目的に限りません。)の数は、ここ数年、毎年20%を大きく上回るペースで増加しています。2013年には始めて1000万人を超え、昨年2014年には更に30%弱増えて、1340万人強になりました。
2014年で国・地域別に言うと、トップは台湾で280万人強、第2位は韓国の276万人弱、第3位は中国の240万人強で、このトップ3だけで全体の約60%を占め、図抜けています。次いで香港(93万人弱)、米国(89万人強)と続き、タイ、マレイシア、シンガポール他がこれを追っています。
 欧州のトップ3は、英国(22万人強)、仏(18万人弱)、独(14万人強)で、イタリア、ロシアがこれに続きます。ベルギーからは1万9千人弱の方が訪日されていますが、これは欧州の中では11番目に当たります。少ないように見えますが、人口を考えると、約580人に一人のベルギーの方が訪日された計算になり、そう考えると、まあまあかとも思います。どちらにしても、先にご紹介した全日空のブラッセル・成田直行便が本年10月25日から飛び始めると、この数がどんどん増えていくことを期待したいと思います。大使館としても,友好150周年の機会を捉えて、観光振興に一層頑張るつもりです。

世界観光事情;人数編 (注2)

次に、目を世界に向けてみましょう。

外国からの訪問者が世界で最も多いのはフランスで、8370万人。2位は米国7480万人、3位スペイン6500万人。アジアでトップは4位の中国5560万人で、それを5位イタリア4860万人が追う、といったところです。そして、日本は、22位。前年の27位から5つ順位を上げたとは言え、アジアの中でも、まだ7位(中国、香港、マレイシア、タイ、マカオ、韓国に次ぐ)になります。日本には、まだまだ「伸びしろ」があると言うことでしょう。
 なお、ベルギーへの訪問者数は、2013年には770万人で、日本の6割弱ですが、人口当たりで考えると、ベルギーでは人口の70%に当たる訪問者を受け入れているのに対し、日本は10%に留まります。  それでは、他の国・地域で自国の人口と訪問者を比べてみるとどうでしょうか?人口が少ない香港、マカオはちょっと除くとして、訪問者数トップ20で見てみると、何と!外国からの訪問者数が人口を超えている国が4つあります。そのトップはオーストリアで、訪問者数が人口の3.0倍、2位はギリシャで2.2倍、3位はスペインの1.4倍、4位はフランスの1.3倍です。これは、凄いことだと思いませんか?

世界観光事情;人数編 (注2)

以上は、UNWTO(国連の世界観光機関)が発表している数字に基づきますが、同機関は、他にも面白い統計を発表しています。

まず、観光収入ランキングです。これは、訪問先の国がどれだけの収入を得ているかを示すものです。ここでは、米国が群を抜いて多くなっており、2014年で1770億ドル。ここ数年、第二位はスペインで、650億ドル強。2013年まではフランスが3位でしたが、2014年には570億ドル弱の中国に抜かれて4位(550億ドル強)になりました。ちなみに、日本は190億ドル弱で、トップ10にも全く届かない状況です。

最後に、今度は、観光支出を。これは、観光客などが訪問先でどれくらいお金を使うかを示すものです。ここでは、中国がトップで、2014年は1650億ドル弱,2位が米国の1110億ドル弱,3位がドイツの920億ドル強で、この3カ国の順位は、ここ3年間変わっていません。

 皆さん、如何でしょうか? ともかく、日本の観光は、まだまだ出来ることがある、と言う意気込みで、私たちも頑張ります。来年は日ベルギー友好150周年、そして、2020年には、東京オリンピックも控えていますので。ベルギーの方々、直行便を使って,是非、どんどん日本においで下さい。「O-MO-TE-NA-SHI」がお待ちしています。

(注1) 日本政府観光局(JNTO)ホームページによる。
(注2) 世界観光機関(UNWTO)統計(Tourism Highlights 2015 edition)による。

 

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