第二十七回 ソリダリティ(Solidarity=団結)
師走(December)
遂に12月、「師走」に入り、今年も、後1ヶ月を切りました。ということは、日ベルギー友好150周年である2016年の始まりまで、後1ヶ月も無い、ということです。 実は、150周年のお祝いは,既に始まっています。今回の友好150周年に際しては、12月1日付けで、友好150周年事務局が立ち上げられており、同じく同日から、天皇陛下と,フィリップ国王陛下に、名誉総裁を務めて頂くことになりました。横浜に最初にベルギーの外交官が降り立ったのは、1865年12月16日ですが、それから150年となる日の前日の12月15日には、東京のベルギー大使館で、開会式が行われることになっています。正に、お祝いの始まりです。
ソリダリティ
さて、12月某日、ブラッセルで、年一回の日本国の「国の日」のお祝いとして、天皇誕生日記念レセプションを行いました。テロ脅威度が「3」と,引き続き高いレベルにあることを考えて、安全について一定の手配をした上で、予定通りの開催としました。お忙しい中、ベルギーの友人の方々、外交団などを中心に、約350名を超える方々においで頂き、非常な盛会となりました
その際の簡単なご挨拶の中で、私は、「ソリダリティ(団結)」について申し上げました。
「お忙しい中、これだけ多くの方々が天皇誕生日のお祝いに駆けつけて頂いたのは、日本という国に対する皆様の「ソリダリティ」の証であり、心から感謝します。
同時に、私たちの側から言うと、このような誰にとっても困難な時期に、予定通りこれだけ大きな会を主催することにしたのは、ベルギーという国と国民の方々に対する,日本としての「ソリダリティ」の証です。
私たちとしては、ベルギー政府が,ベルギーに居る人々や、外交団や施設などの安全確保や、国際的なテロ問題への取り組みに対する貢献のために、万全の努力をしていることを完全に信頼しています。」
そのために、日夜を問わず努力しているベルギー警察、軍の関係者を称えることを呼びかけたのに対して、出席者全員から,大きな拍手が寄せられました。
「和食」クール!
そして、それに続けて、レセプションでお出しした和食についても、少し紹介しました。言うまでも無く、日本大使館が主催する大きなレセプションでは、美味しい和食が食べられるのが人気の秘密の一つです。今回も、色々なものをお出しし、「和食振興キャンペーン」に努めました。
まず、今回のレセプションでも、例年通り、寿司をお出ししたのですが、今回少し新しいのは、寿司のご飯に、日本から直接持ち込んだ日本米の新米を使ったことです。既に,寿司は「クール!」なのですが、今回のものは、それよりももっと「クール!」です。
そして、今回のレセプションの新たな主役は、「WAGYU(和牛)」でした。焼きたてをその場で切り分けながら差し上げたのですが、そのテーブルの前には、メインの食事のテーブル以上の列ができました。そのテーブルは、庭に向けて張り出したテントの中で、実は、部屋の中に比べて少し寒いのですが、皆さん、WAGYUの香ばしいにおいに誘われて、リピーターが多かったようです。
更に、同じ場所で、日本酒数種類もお出ししました。季節柄、熱燗も。中でも、発泡性の日本酒は、珍しいことも手伝って、相当好評でした。日本のワインも,白・赤と置きましたが、非常に評判が高かったと思います。そして、こちらも驚いたのは、日本のウイスキーのボトルが、どんどんと空いていったことです。こんなにベルギーの方がウイスキーを飲まれるとは知りませんでしたが,それ以上に,日本のウイスキーは当地でも,相当有名なのです。
ちなみに、人気の高かったWAGYUは、日本の鹿児島産ですが、輸入しているのは、ベルギー北部のゲント市にあるベルギーの会社です。これこそ、日・ベルギーの「ソリダリティ」の証ではないでしょうか。
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