作家・平野啓一郎氏講演会及び歓迎レセプション
平成31年2月15日
2月15日,ブリュッセル自由大学(ULB)において,作家・平野啓一郎氏による講演会が行われました。平野氏は,1998年に「日蝕」で文壇にデビューし,翌年に当時史上最年少の23歳で芥川賞を受賞,以降,数々の作品を世に送り出し,2016年に発表した「マチネの終わりに」は20万部を越えるベストセラー,最新作の「ある男」は読売文学賞を受賞する等,日本で高い評価を受けています。同氏の作品の一部は,フランス語や英語にも翻訳されています。
講演会で平野氏は,「日本文学における恋と愛」をテーマに,日本において「恋愛」という概念はどのように伝わり浸透したか,また,「恋」と「愛」の定義の違い,個人という概念に対する「分人」について話し,ULBの学生,林大使や文学愛好家などの聴衆は熱心に聞き入っていました。
講演会後,大使公邸に場所を移して行われたレセプションでは,平野氏に加えて,ULB学長他関係者,ベルギー国内の日本研究者,日本語教育関係者,ジャーナリスト等が出席しました。冒頭,林大使は,平野さんは,題材や構想の豊かさに加え,驚くべきクリエイティヴな力で読者の心をとらえる,真に傑出した日本の現代小説家であり,皆様にご紹介できて大変嬉しく思う旨述べ,平野氏のベルギー訪問を歓迎しました。出席者は平野氏と親しく言葉を交わし,日本文学をはじめとする幅広い分野の意見交換を行い,日本文化の発信につながる有意義なひとときとなりました。