ラブレター・フロム・ブラッセルズ

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第十七回 続「初物尽くし」

2015年6月15日

  前回「初物尽くし」をお話して以降、一つ「うれしいサプライズ」があったので、今回も、続「初物尽くし」でお送りします。

全日空成田―ブリュッセル直行便就航!

lfb_017_ana  遂に、日本とベルギーの間に、待ちに待った直行便就航のニュースです。去る6月1日、全日空は、今年の冬ダイヤから、成田―ブリュッセル間の直行便を就航させることを発表しました。両国の友好150周年にあたる来年2016年を控えたタイミングでのこの発表は、公的にも、私的にも、非常に素晴らしいニュースです。
  思えば、成田―ブラッセル間に直行便を飛ばしていたベルギーのナショナル・フラッグであるサベナ航空が活動を停止したのが、2001年11月ですから、今年の秋に就航となれば、それから丁度15年を経た再開になります。

  実は、前回ご紹介したミシェル首相の初めての訪日の際、同首相が日本到着後、一番最初にこなしたアポイントメントは、全日空での会長・社長他との会合でした。このことは、それだけ直行便就航が、ベルギー政府にとっても重要な案件であったことを示すものです。私が昨年9月にベルギーに着任した際、当国外務省高官に最初にお会いした時に、両国間の懸案として提起された数少ないものの一つも、この直行便就航でした。

  現在全日空の欧州直行便は、フランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフ、ロンドン、パリの5都市と成田・羽田を結んでいますが、ブリュッセル便就航で、その数は6都市になります。「欧州の首都であるブラッセルに直行便を飛ばさないのはおかしい。」と、口で言うのは簡単なのですが、言うまでもなく、これは大変な労力と資金の動員を意味する一大決断であり、ある程度確かな経済的見通し無くしては実現しえないものです。
  全日空がプレスリリースの中で指摘されているように、直行便不在の中で、既存の他の都市へのフライトを活用しつつブリュッセルを訪問している人の数、言い換えれば、直行便開設の暁に見込まれる旅客数は、年間約9万人とのことです。視点を変えれば、ブリュッセル直行便が就航すれば、ブラッセルが持つ重要な強みの一つである、他の都市へのアクセスが最大限生かされることにもつながり、その結果、ますますブリュッセルへの人の来訪を促す効果もあるのではないかと思います。何といっても、列車でパリへ1時間半未満、ロンドン、アムステルダムへそれぞれ2時間というアクセスは、ブリュッセルを実際的にも「欧州の首都」としている要因の一つですから。
  今後、直行便の頻度や使用機材などの詳細は、関係当局との協議を経て決まることになっており、現時点では未定ですが、毎日一便の就航となれば、本当に素晴らしいことです。また、使用機材については、個人的には、やはり、200席を切る中規模の機材でありながら、長距離飛行が可能であるボーイング787の登場が、ブリュッセルのような都市への直行便就航を可能にした大きな要因ではないか、と思っています。

国際都市ブリュッセル

lfb_017_international  ここで、ブラッセルの都市としての国際的評価について少しご紹介しましょう。
  紙面の関係で、一つだけ例を挙げます。国際的なコンサルタント会社であるA.T. Kearneyは、2008年以降、世界の125都市を、「ビジネス活動」「人的資源」「情報流通」「文化的経験」「政治的関与」の5つの観点から総合的に評価して、現時点での競争力をランク付けした「グローバル・シティ・インデックス(GCI)」を発表しています。それに加え、今年からは、同じ125都市について「個人の幸福度」「経済」「イノベーション(革新性)」「ガバナンス(意志決定と行動)」の4つの観点から将来的有望性を評価した「グローバル・シティ・アウトルック(GCO)」を合わせて公表しました(注)。
  これによると、ブラッセルは、GCIでは12位、GCO24位を占め、その両方でトップ25に入った「グローバル・エリート」16都市の一つになっています。ちなみに、グローバル・エリートに選ばれたのは、欧州では、ロンドン(GCI‐2位、GCO‐2位。以下同じ。)、パリ(3位,19位)、ブラッセル(12位、24位)、ベルリン(17位、13位)、アムステルダム(25位、9位)の5都市です。東京は、4位と18位で、シンガポール、ソウル、シドニー、メルボルンと共に、アジア最高位でランクインです。
  (注)A.T. KearneyHPによる。リンク;http://www.dreamnews.jp/?action_jump=1&dnpid=0000112769&dnurl=http%3A%2F%2Fwww.atkearney.com%2Fresearch-studies%2Fglobal-cities-index

新大使館/EU代表部・広報文化センターオープン

lfb_017_jicc  最後になりましたが、大使館のHPでも御紹介した通り、5月末から日本大使館とEU代表部は、揃って新しいオフィスに移転しました。引き続き、どうぞ宜しくお願いします。
  新オフィスでは、広報文化センターが再オープンしました。このことは、日本に拘わる色々な情報の提供や、文化行事等を行う「継続的なベース」ができたことを意味します。これから、皆さんのご意見も伺いながら、この貴重なスペースを充実させて、最大限に活用していきたいと思います。皆さん、是非おいでください。

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