ご挨拶

令和7年1月1日

 

  • 大使の新年ご挨拶

新年おめでとうございます。
 
 ベルギーは地理的にも歴史的にも欧州の中心に位置し、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の本部が置かれています。日本とベルギーは基本的な価値や制度を共有するとともに、日本の皇室とベルギーの王室との絆も深く、重要なパートナーです。この地での私たちの活動が日本とベルギーの絆を深め、国際社会の安定と発展に寄与する一助となるべく務める考えです。
 
 ベルギーには現在、多くの日系企業が進出し、製造業、物流、サービス業など、さまざまな分野で活躍されています。特に、カーボン・ニュートラルやデジタル・トランスフォーメーションといった現代の重要課題において、日本企業が持つ高い技術力と倫理的な事業姿勢には、ベルギー、欧州側の高い期待があります。また、学術、芸術、スポーツの分野などでも多くの日本の方々が活躍されています。
 
 2026年は、1866年に日ベルギー修好通商航海条約が締結され、外交関係が設立されてから160周年という節目を迎えます。この記念すべき年に向けて、日本とベルギーの長きにわたる友好関係をさらに深化させるべく、皆様と協力していきたいと考えています。
 
 本年は、大阪で万国国際博覧会が開催されます。ベルギーは「水」をコンセプトにした素晴らしいパビリオンを建設しており、多くのベルギーの方が訪日されることを期待しています。また、日本からも多くの方にベルギーを訪問していただきたいと願っています。
 
 結びに、本年が皆様にとりまして健康で幸多き年となり、さらなる飛躍の一年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
 

2025年1月吉日
駐ベルギー日本国特命全権大使
三上 正裕

                                                          
  • 着任ご挨拶

 

 

 この度、駐ベルギー特命全権大使として、当地に着任致しました三上 正裕(みかみ まさひろ)と申します。

 前任地はカンボジアでしたが、着任以来、欧州の美しい街並みを楽しみつつ、今後長い歴史と豊かな文化を持つベルギー各地を訪れることを心待ちにしています。

 日本とベルギーの関係は、コロナ危機からウクライナ戦争と続いた厳しい状況下においても引き続き良好であり、幅広い分野においてさらなる協力が期待されています。昨年12月には、アストリッド王女が率いる総勢600名近くが参加した史上最大規模のベルギー経済ミッションが訪日しました。当館としては、今後も日本の皆様がより働きやすい環境になるようベルギー当局とも緊密に連携していく所存です。

 文化面では、当館でも昨年秋口から徐々に様々な活動を再開し、「黒澤明回顧映画祭」、サンカントネール博物館「新版画展」オープニングでの日本文化紹介、KUL(蘭語系ルーヴェン・カトリック大学)日本図書コレクション特別展での協力等を通じて多くの皆様に再び日本文化を楽しんでいただく機会を提供することができました。様々な交流事業の実施により、ベルギーの皆様に我が国の文化をより深く理解いただき、日・ベルギー関係をさらに発展させる一助としていきたいと思います。

 安全保障の分野においても、国際秩序が試練に直面している現在、基本的価値を共有し志を同じくする国同士の連携が大変重要です。昨年には、日本政府の出資により、当地のシンクタンクVUB-CSDS(蘭語系ブリュッセル自由大学安全保障・外交・戦略研究所)にジャパン・チェアが設立されましたが、近年特にインド太平洋地域における日本の役割への関心が高まっています。「自由で開かれたインド太平洋(FOIP:Free and Open Indo-Pacific)」を実現すべく、今後さらに日本・NATO・EUの協力関係を強化していきたいと思います。

 大使館といたしましては、在留邦人の皆様が安全にそして安心して生活していただけるよう努力してまいりますので、今後とも皆様のご協力とご支援を賜れますようお願い申し上げます。日本とベルギーの多くの皆様にお会いすることを楽しみにしています。



 

 

2023年1月
駐ベルギー日本国特命全権大使
三上 正裕