仏語系カトリック・ルーヴァン大学(UCL)の日本図書コレクション視察及びMusee Lにおける展覧会オープニング出席
5月9日,林大使はルーヴァン・ラ・ヌーヴの仏語系カトリック・ルーヴァン大学を訪問し、サムソン国際関係副学長等による出迎えを受け、同大学稀覯本展示室に所蔵されている日本図書コレクションについて、ヴァンドワラ蘭語系ルーヴェン・カトリック大学(KUL)名誉教授及び稀覯本展示室の責任者であるエミリー・ヴィルコ氏による説明の下、視察を行いました。
同コレクションは、第一次大戦中、当時の独軍によりルーヴェン大学の図書館が破壊され全焼したことを受け、1920年代に日本から寄贈された、日本とベルギーの友好関係を象徴する貴重なものです。今から100年前、1919年のヴェルサイユ講和会議の際に、同図書館再建のための国際委員会が立ち上げられ、日本も同委員会に参加し、1921年の裕仁皇太子殿下(当時)のルーヴェン大学ご訪問を経て、1923年の関東大震災にも関わらず、日本は寄贈事業を遂行し、1924年から1926年まで6回に亘り輸送され、歴史的、美術的価値の高いものを含め、様々な分野の書籍総数14,000冊が寄贈されました。同コレクションは第二次世界大戦の戦禍も奇跡的に免れ、その後1968年に大学が蘭語と仏語で分離した際、ルーヴァン・ラ・ヌーヴに新設された仏語系カトリック・ルーヴァン大学(UCL)に委譲されることになりました。現在はコレクションを多くの人に活用してもらおうと、デジタル化のプロジェクトが進んでいます。
https://dial.uclouvain.be/digitization/fr/digital-collection/collection-japonaise
林大使は、引き続きMusée Lにおいて、ブロンデル学長とともに、「江戸期日本の絵本と挿絵」と題した展覧会のオープニングに出席しました。ブロンデル学長の挨拶に続き、林大使は「日本では江戸時代に独自の文化が高度に発達し、明治の開国後、欧州の文化にも影響を与えている。今から約100年前に日本から寄贈された日本図書コレクションは、当時の日本からベルギーへの友情の証であり、展覧会を機に、多くの方にコレクションの存在を知っていただきたい。」と述べました。
同展覧会は、上記コレクションの中から選りすぐった美しい江戸期の絵本や、浮世絵、漆器、根附などを紹介しており、8月18日まで開催されています。
http://www.museel.be/fr/evenement/exposition-singuliere-images-et-illustrations-au-japon-dedo-1603-1868