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第四十回 ブリュッセル・フラワー・カーペットと海上自衛隊練習艦隊

2016年8月16日

ブリュッセル・フラワー・カーペット

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© Peter Testelmans
遂に,待ちに待った一大イベントの開催です!

2年に一度行われるブリュッセル・フラワー・カーペットは,本年は第20回となる記念すべき開催です。8月12日に開幕しましたが,今年は,日ベルギー友好150周年を記念して,日本をゲスト国として,日本そのもののデザインで,15日までの4日間行われました。

 あの巨大な広場であるグラン・プラスを花びらで覆い,75mX25mの規模の花の絨毯を作るのですから,ずいぶん時間がかかることだろうと思っていましたら,実は,ブリュッセル日本人学校の生徒の方々を含むボランティアの方々が開催日当日の朝早くから頑張って作業されたお陰で,何と,正午以前には,その全容を表しました。

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© Peter Testelmans

 ともかく,素晴らしく美しい!その日の夜には,グラン・プラスに「桜」の音楽が流れ,音と光のショーが行われ,最後には,「隅田川の大花火」とまではいきませんが,花火が打ち上げられ,多数集まった観衆の歓声も最高潮に達しました。

 このイベント開催に筋道をつけた,私の前任者である坂場大使や,ブリュッセル市側のカッツ事務局長,更には,実際のデザインをされた鈴木さんなど,多くの方のご努力無しには,この開催にこぎ着けることは出来ませんでした。改めて,ご助力頂いた全ての方々に心から感謝したいと思います。

海上自衛隊練習艦隊ご訪問

ブリュッセル・フラワー・カーペットと時を同じくして,8月15日には,海上自衛隊練習艦隊旗艦である「かしま」が,アントワープに寄港しました。今回の遠洋練習航海は,これも第60回目に当たる,記念すべき航海です。5月20日に横須賀

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© Peter Testelmans

を出航した練習艦隊は,ここまで,米国各地,パナマ,フランス,イギリス,そして,リトアニアを経て,アントワープに到着されました。航海全日程は169日ですが,アントワープ到着は88日目に当たり,日程的には,丁度折り返し地点になります。

今回の航海では,リトアニアへの初寄港に加え,イギリスでは,初めてテムズ川を遡り,開橋したタワーブリッジを通られたそうです。なお,アントワープ寄港も,前回は25年前の由です。たまたま,その際初級幹部であった方の一人が,今回,かしまの艦長を務められているのも,不思議な運命の巡り合わせです。

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到着して間も無く,初級幹部の方々は,フラワー・カーペットを視察されたのですが,それに合わせて,練習艦隊に乗り込んでおられる海上自衛隊音楽隊と初級幹部有志からなる和太鼓の「祥瑞太鼓」の方々が,フラワー・カーペットを前にして,素晴らしい演奏を披露され,グラン・プラスに集まった大観衆から大きな声援と拍手が寄せられました。その後夕方には,かしま艦上でベルギー,日本他の関係者をお呼びしたレセプションを開催し,そこでも,初級幹部の方々は,良きホストとして,友好親善に努めておられました。

外国で自衛隊の方々の訪問をお迎えするのは,格別に誇らしく,嬉しい経験です。特に今回は,幹部としての歩みを始められたばかりの若々しい方々の凜々しい姿を見て,元気を頂きました。友好150周年に,正に「花」を添えて頂き,本当に有り難うございました。今後の無事の航海をお祈りしています。

幸運に感謝!

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© Peter Testelmans

今年は,日ベルギー友好150周年という「特別な年」です。また,今週は,第20回のブリュッセル・フラワー・カーペットが,日本のデザインで行われる「特別な週」でした。そして,フラワー・カーペットの最終日,かつ,練習艦隊のアントワープ寄港初日である8月15日は,終戦記念日でも有り,「特別な日」になりました。

このようなタイミングで,ベルギー大使を務めさせて頂いているのは,私にとっては,身に余る光栄であり,また,本当に幸運なことだと思っています。

ちなみに,今回60回目を迎える遠洋練習航海が始まったのは1957年。これは,私の生まれた年です。それから,かしま艦上レセプションで振る舞われた日本酒は,私の出身県である広島の銘柄でした。これもまた,運命の巡り合わせでしょうか。

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